消化器ドックを開始いたします
医師 若杉慎司
消化器ドック:48,600円 の予約を開始いたしました。
標準の人間ドックに大腸カメラを追加することもできます。 有料オプションとして 27,000円
麻酔で寝ている状態で胃カメラ、大腸カメラを同時に検査します。静脈麻酔で寝ていただきますので、苦痛を感じることはありません。トータルで30から40分ほどで終了します。
腫瘍マーカー4種も含まれます。
【男性】 CEA CA19-9 AFP PSA 【女性】 CEA CA19-9 AFP CA125
がんによる臓器別の死亡数は男性が胃がんが2位、大腸がんが3位、女性では大腸がんが1位、胃がんが4位となっており、消化器がんでの死亡が多いことがわかります。
胃がんも大腸がんも肺がんや膵がん等と比べると診断しやすく治癒を期待できます。40代、50代の方は4割から5割が検診を受けています。
問題は好発年齢である60歳以上の方の検診受診率が低いことです。3割に満たないのが現状です。
胃がんはピロリ菌が原因であることが分かってから健診で検査し感染があれば除菌をする体制が整ってきました。40歳までの除菌でほぼ100%、40、50代での除菌で90%以上の胃がん発症予防効果が期待できます。胃カメラのメリットは早期胃がんが見つかりやすいことと、同時に保険でピロリ菌の検査ができることです。できれば30歳代までに除菌をし、40代から定期的に胃カメラを受けるのが望ましいと言えます。
大腸がんはポリープが成長して発症することが知られています。ポリープには腫瘍性過形成ポリープがあります。大腸がんの9割が腫瘍性ポリープ(腺腫)が数年をかけて大きくなりがんに移行するものです。また過形成ポリープでも10mmを超えるとがん発症のリスクが高まるといわれています。
大腸がん発症にはカロリーの過剰摂取、飲酒、喫煙、家族歴、50歳以上の加齢が関与します。
現在40歳を超えると健診でピロリ菌の有無を検査できる機会が増えています。ただ自治体、健保組合、人間ドックでの胃がん検診は6割以上は胃透視検査(バリウムによる)で行われています。40歳以降で除菌をした方、喫煙者、家族歴のある方は胃カメラの必要性が高くなります。
大腸のがん検診は便潜血を測定する検便(2回法)です。がんのみならずポリープの診断にも有用です。 便潜血が陽性の場合、 大腸カメラで3,4割にポリープが見つかります。 便潜血検査2回法の陽性率は約5%で、そのうち約2%に大腸がんが見つかっています。 進行がんで85.6%, 早期がんで61.3%の診断率です。40代からポリープは発生し、大腸カメラを施行すると2、3割の方にポリープが見つかっています。サイズの小さいものは経過を見ますが、多くの場合ポリープは切除され大腸がんの予防が期待されます。
ここでの問題は便潜血が陽性になって大腸カメラの支持を受けても半数の方はお受けにならないことです。場合によってはポリープを見つけて切除するチャンスと考えていただき是非大腸カメラを受けていただきたいと思います。
胃大腸ドックでは胃カメラ、大腸カメラ、ピロリ菌検査を行い、必要な場合はピロリ菌除菌、ポリープ切除を積極的に進めてゆきます。胃がん、大腸がんは早期で診断できれば多くの場合、カメラでの粘膜切除やポリープ切除で完治が期待できます。入院は数日で済み抗がん剤の投与を最低限に抑えることができます。
通常の健診、人間ドックではいずれのカメラも含まれないことが多いので、頻度の高いがんについての付加的なオプションということが出来ると思います。
関連リンク
http://www.mdcexam.net/dock_list/