「ダイエット成功の2例」
医師 若杉慎司
その1
40代男性 3年で20Kg減量した例です。
以前はLDL(悪玉)コレステロールが高く内服治療を開始していただきましたが、今回は内服しなくてもHDL(善玉)コレステロール優位となって内服治療は必要なくなりました。
成功の理由は、
「トレーナーからある期間指導を受け、その後も継続したこと」
「ラーメンが好きで頻繁に食べていたのをやめて食事を改善したこと」
だそうです。
とはいえここまで減量できた例はまれです。
画像では左が三年前、右が現在です。
赤い内臓脂肪と青い皮下脂肪ともに大分減っています。
灰色が筋肉の部分ですが、特に画面右側の腹直筋が発達しています。
食事療法と運動療法を共にこれだけのレベルで継続維持するのは困難ですが、習慣になってしまっているので現在は特にきつかったり我慢している感じではないそうです。
メタボリックシンドロームは別名生活習慣病と呼ばれます。
いい習慣がルーチン化してしまうと続きます。
この例がそのきっかけになれば幸いです。
その2
「半年で22Kg減量」
前回と同じような方が来られたのでご報告します。
1年前に人間ドックを受診された方です。
この半年有名なダイエットの施設で専属トレーナーの指導のもと食事・運動療法を続けられました。
多分大変な努力をされたと思うのですが、ご本人はトレーナーの指導に共感し納得できたことが成功の理由とおっしゃいます。
この方も当初は内服治療を要する状態でしたが、今回はすべてのデータが正常値化し必要がなくなりました。
最近パーソナルトレーナーが細かく指導しダイエットや筋力増強を成功に導く例をたくさん見るようになってきています。
最初の費用は高額なことが多いですが、3か月や4か月以降は月に一度の目標達成のチェックでも状態を維持できるようです。
もちろんすべての方が成功するわけではありませんが、ある程度のモチベーションがあって、その方に合った適切な指導を受け、ご本人が納得して続ける環境が整うと成功するようです。
お二人ともに注意されたのは炭水化物の摂り過ぎでした。
具体的に炭水化物はどういう食事・食材でしょうか。
基本的には米、小麦、砂糖が多く含まれる食品です。
1、主食
米 ごはん 餅 せんべい だんご
小麦 うどん そば ラーメン そうめん パン 餃子の皮 ピザ
2、果物 菓子
3、豆 いも とうもろこし 栗 かぼちゃ レンコン
4、砂糖やシロップ入りの飲料・乳製品
5、ソース カーレールー たれ めんつゆ はちみつ
それぞれ味が異なりますので、油断するとトータルでは多くの量を摂ってしまいがちです。
別腹ということにならないことですね。
炭水化物の摂り方にも注意しましょう。
ポイントは以下のようなことです。
・急いで早く食べるとたくさんの量を摂ってしまうので休みながらゆっくり摂る
・野菜、副菜から順に食べ食事の後半に摂る
・飲酒の後は低血糖になり炭水化物を欲しくなるが摂り過ぎないようにする
・一日の前半に摂り、午後8時以降は少量にとどめる
・摂った後に散歩やウォーキングなどで消費を早め血糖値の上昇を抑制する
このようなことの積み重ねで体形や体重は改善してゆきます。
総摂取カロリーだけの問題ではなく、摂る速さ、タイミング、運動と連動することがポイントですね。