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胃にポリープがあったらラッキー?   「胃底腺ポリープとは」

2019.03.27 ガン 人間ドック

胃にポリープがある方は胃がんになりにくいことが分かっています。

胃できるポリープの9割は胃底腺ポリープであり、これはピロリ菌の感染がない方に出来るものです。ピロリ菌感染がなくて胃がんになる可能性は1%を切るので、胃にポリープがある方には胃が発症しにくいと言えるわけです。

 

ある調査では人間ドック受診者の25%に胃ポリープが認められたそうです。

とてもポピュラーなものですね。

男性の17%に、女性の30%に認められ、女性に多いことが分かります。

 

胃ポリープにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

1、胃底腺ポリープ

・最も頻度の高いポリープ  胃のポリープの9割を占める

・胃角から上部にかけて大弯側に好発

・ヘリコバクターピロリ菌の未感染者に好発

・色調は正常粘膜に近く周囲は境界が明瞭

・女性に多い

・非喫煙者、非飲酒者、肥満がない場合に生じやすい

・悪性化はまれ

 

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2、過形成性ポリープ

・形はキノコ状のものや茎のない半球状のもの

・胃の出口付近にできやすい

・表面が赤くなって光沢があり、イチゴのような顆粒状の凹凸がある  出血やびらんも多く、これが原因で貧血が進行することがある

・普通、大きさは2~3センチどまりで、大きいものからは、がんができることもまれにある   定期的なフォローを要する

・ヘリコバクター・ピロリ菌による胃の慢性炎症がその発生の原因

 

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過形成性ポリープと胃底腺ポリープの特徴

 

過形成性ポリープ 胃底腺ポリープ

 

色調      赤い         周囲粘膜と同様
個数      1個〜数個         数個〜多数
大きさ      大小様々         2、3mm
好発部位      どこでも         胃体部大弯
背景に萎縮性胃炎      あり         なし
H.pylori感染      あり         なし
癌化      稀にあり         なし
生検や切除の適応      時にあり         なし

 

 

 

 

3,家族性大腸腺腫症に伴う症候性胃底腺ポリープ

 

遺伝疾患である家族性大腸腺腫症では上記のポリープいずれもが胃で発症します。

したがって胃がん発症の温床となりうるため厳重なフォローが必要です。

 

 

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胃ポリープの9割を占める胃底腺ポリープが見られる方にはヘリコバクターピロリ菌の感染者が少なく、非感染者での胃がんの発症は1%を切ることから、胃がんになりにくいと言うことができるわけです。

したがって「ハッピーポリープ」と呼ばれることがあるわけです。

 

しかし、それ以外の過形成性ポリープや家族性大腸腺腫症に伴う症候性胃底腺ポリープではがん化の危険性があるため、胃ポリープを有することがすべてハッピーではないことも忘れてはいけません。

 

数年前より自治体ごとの中学生のピロリ菌検査が普及してきました。

尿検査で最初に行い、陽性者のみ再検査をして除菌に進みます。

30代までに除菌すれば胃がん発症は1%以下にできることが分かっています。

現時点では男性の9人に一人、女性の18人に一人が胃がんを発症していますから、画期的なことですね。

まだすべての自治体で行われてはいないのでさらに推進されることを祈ります。

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最近、プロトンポンプ阻害薬の長期投与例で胃底腺ポリープが増えること、ピロリ菌の感染がなくても胃底腺ポリープががん化するのを促進する可能性が指摘されています。

 

近年逆流性食道炎でプロトンポンプ阻害薬を長期に服用する方が増えています。

逆流性食道炎の原因としては

 

・早食いや過食

・高脂肪食、アルコール、喫煙

・食べてすぐ寝る

・肥満

・食道株の括約筋の機能低下

・刺激や酸の強い食事

 

ピロリ菌の感染がある方は萎縮性胃炎となって胃液の分泌が減少します。中年以降の方は感染率が高いため胃液が少ないのです。これまでは逆流性食道炎はあまり見られませんでしたが若い方はピロリ菌感染が少なく胃液の分泌が中高年に比べ多いので逆流性食道炎が多いことが分かってきました。発症するとプロトンポンプ阻害薬を長期に服用することになるので、上記のリスクを考えると避けたいところです。

 

以上、ピロリ菌の胃がん、胃ポリープ、逆流性食道炎などとの関連をご説明してきました。

胃カメラを受ける時に、ピロリ菌の検査と除菌を保険で同時に受けること、胃ポリープがあった場合にどういう種類のポリープかを確認することをお忘れにならないで下さい。

 

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